2013年07月03日 大阪 朝刊 1社会
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環太平洋経済連携協定(TPP)への参加に反対や強い懸念を表明する農協と医師会は、長らく自民党の支持団体の一翼を担ってきた。安倍政権がTPP交渉への参加準備を進めるなか、4日公示の参院選で自民との距離をどう取るか。地域、団体ごとに対応は割れている。
●農協 「聖域守る約束、信じる」
農協の政治団体・全国農政連は今回の参院選で、計15選挙区で自民党候補を推薦せず、うち10選挙区では地方組織レベルでの推薦も出さず、自主投票などの対応を取った。
6月30日、徳島市。参院選徳島選挙区の立候補予定者による公開討論会で、自民新顔の三木亨氏(45)はTPPについて「日本の農業が打撃を受けることはあってはならない。関税の例外なき完全撤廃は全面的に反対だ」と強調した。
「聖域を守るという約束を信じるしかない」。三木氏の推薦を決めた、県内農協でつくる政治団体、JA徳島農政協議会の河野收三事務局長はこう語る。
昨年末の衆院選で、協議会は県内3選挙区でいずれも「TPP交渉反対」を条件に自民候補3人を推薦。その後、安倍内閣は交渉参加へとカジを切ったが、河野氏は「県内の衆院議員はTPP反対派として、党内で発言してくれている」と評価する。
ただ、公約通りの「聖域」が確保されなければ、農家の打撃は大きい。徳島県は、米や牛肉、豚肉など11品目で仮に関税が撤廃されれば、生産額の約4割、213億円が減少すると試算する。県中部・阿波市の米農家の男性は「交渉参加で自民に裏切られたと感じる農家もいるが、民主も交渉は否定していない。今の政治状況なら、自民に頼るしかない」と話す。
TPPの交渉参加を決めた安倍政権への反発が根強く、組織内で意見がまとまらなかった地域もある。
鳥取県内の農協による政治団体・県農協農政協議会は6月上旬、鳥取選挙区での自主投票を決めた。県農政協幹部で、JA鳥取西部の谷本晴美組合長は、政府与党の姿勢に「十分な情報を出していない」と不満を漏らし、「TPP反対を貫くには自主投票しかない」と言い切る。
ただ、鳥取は自民党の石破茂幹事長のおひざ元。石破氏の地元、JA鳥取いなばの谷口節次組合長は「石破さんが『聖域なき関税撤廃が前提なら反対』と言っている以上、自民を推薦し、要求を政府に伝えるしかない」との立場だ。
農家の思いは複雑だ。倉吉市で乳牛約50頭などを育てる小谷利夫さん(40)は「酪農だけでなく、農村の崩壊をもたらすTPPの参加には断固反対。誰にこの思いを託したらいいのか、迷っている」と話す。(伊藤あかり、吉田海将)
●医師会 発言力重視、ジレンマも
日本医師会の政治団体・日本医師連盟は「自民回帰」を鮮明にする。
3年前の参院選では、比例区で推薦予定の自民現職を「支援」に格下げし、与党だった民主候補を推薦した。しかし今回は、組織内候補の羽生田俊(はにゅうだたかし)・日本医師会副会長(65)が、自民から比例区に立候補を表明。選挙区でも、46都道府県の医師連盟が自民候補の推薦を決めた。
自民との「二人三脚」を再び目指すなか、国民皆保険の維持などを掲げてTPPに懸念を示してきた医師会の姿勢は微妙に変わりつつある。
奈良県医師連盟は昨年の総選挙の際に「TPP反対」を表明。県内4選挙区の候補者に参加の是非を問うアンケートを実施し、「反対」とした自民候補4人を含む6人を推薦した。しかし、5月に県医師連盟が奈良選挙区の自民新顔、堀井巌(いわお)氏(47)の推薦を決めた際には、TPPへの考えを問うことはなかった。
医師連盟が参院選比例区に立てた候補は直近の2回でいずれも落選。奈良県医師連盟の塩見俊次会長(63)は「TPPの交渉参加を決めた自民を支援するのは正直ジレンマがある。でも、医師会が国会で発言力を持つ人を比例区に送り出すためには、選挙区も対になって自民を推薦する必要がある」と強調する。
一方、堀井氏は6月末、朝日新聞の取材に対し、TPPについて「国益を守ってしっかり交渉するという党の基本方針に従います」と述べた。(藤田さつき)
◆キーワード
<TPPと自民党>
TPPは現在、米・豪など先行参加した11カ国が交渉している。日本は今月から交渉に加わる予定。コメなど重要5品目の関税や国民皆保険制度の「聖域」を守るかどうかについて、6月発表の自民党公約は「国益にかなう最善の道を追求する」と記述。同時発表の政策集には、守られない場合は「脱退も辞さない」との文言が入れられた。
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医師会や農協にとって、自民支持こそが「聖域」に近いのだ。
“聖域なきTPP断固反対”を貫いてほしいものである。
ラベル:TPP
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