2013年11月06日 東京 朝刊 2商況
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安倍政権が、経営者に賃上げを促している。それを受けて、一部の経営者からは賃上げに前向きな意見が出ている。組合側も、5年ぶりにベアを要求するという。しかしそれで、消費主導型の自律回復が実現するとみるのは間違っている。
アベノミクスの主眼は、あくまで企業主導型の経済成長だ。企業向け減税や規制緩和、TPP、公共投資などで企業収益や設備投資の拡大を図り、その成果が家計にトリクルダウンする(したたり落ちる)ことで、消費も回復することが期待されている。
しかし、そのようなトリクルダウンが実現する可能性は低い。
2002年から08年まで続いた戦後最長の景気回復においても、非正規雇用の増大や賃金下落を背景に、労働分配率は下がり続けた。つまり家計は、経済が成長してもその果実を受け取ることができなかった。労働分配率の低下は、世界中で観察されるトレンドでもある。その背景には、技術革新や機械化を背景とする労働需要の縮小(いわゆる機械との競争)、グローバリゼーション、株主主権の強まりによる企業収益増大圧力の強まり、労働組合の弱体化など、構造的な要因が大きいといわれる。
特に日本では、技術革新やグローバリゼーションへの対応が遅れ、付加価値創出力が低下する中で、企業が主として労働コスト削減によって生き残りを図ろうとしたために、労働者へのしわ寄せが大きくなった。そうした日本企業の経営モデルが変わらない限り、雇用・賃金が一時的に回復することはあっても、持続的な拡大・上昇トレンドに転じるとは考えにくい。アベノミクスは、企業収益を回復させるだけに終わるのではないか。
(山人)
◆この欄は、第一線で活躍している経済人、学者など社外筆者の執筆によるものです。
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この朝日新聞株式欄上の連載コラム、経営者寄りの意見がほとんどで、毎日のように腹の立つ不快なことが書かれているのだが、今回だけは良い記事だった。
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