2013年11月20日 大阪 夕刊 1社会
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紀伊水道に臨む徳島県と和歌山県の沿岸には、1960〜70年代に原発計画が持ち上がった。そのとき、豊かな漁場を守ろうと海を挟んで手を取り合った漁師たちがいた。それから40年以上がたち、東京電力福島第一原発事故で福島の漁民らは放射能汚染に苦しめられている。立地を阻んだ両岸の漁師たちは、いま何を思うのか。そうしたインタビューに基づくドキュメンタリー映画が、来月公開される。
●「できる前から地域を壊す」
立地計画があったのは、四国電力蒲生田(かもだ)原発の徳島県阿南市と、関西電力日高原発の和歌山県日高町。
計画が出た後に、阿南市の漁師たちが日高町の漁村を船で訪ね、夜を徹し語り合ったこともあった。「俺らはカネも力もないから長期戦では負ける。短期決戦で追い出す。でも目の前の日高に原発があったら意味ない。がんばってくれ」
阿南市の漁師たちは、反対の陳情に市役所や県庁に押しかけ、一方で、和歌山の漁師たちは反対署名活動などに奔走した。以来、徳島と和歌山の漁師たちの交流は続いているという。
「若かったけど、この海があれば自分の腕一本で食っていける自信があった」 阿南市椿泊(つばきどまり)町の漁師、太居(たい)雅敏さん(56)は当時、すでに父と漁に出ていた。紀伊水道の内水と太平洋の外水との合流点で、天然の磯が多い屈指の漁場。ヒラメやタイ、ハマチ、サバなどは高値で売れた。事故が起きなくても、温排水などの問題を抱える原発は、海の値打ちを下げる、と思った。「危なくない、安全です、と電力会社の社員が言うから、東京や大阪に造ればどうかと質問した。相手は何も答えんかった」
日高町の漁師浜一己さん(63)が、当時反対の立場を取るきっかけになったのは、父清一さんの言葉だった。
漁協幹部だった清一さんは立地地域の視察旅行に何度か参加。すべてお膳立てされていたが、一度「自由行動」を取った。島根県の中国電力島根原発のそばの漁港で網繕いをしていた年配の漁師に尋ねた。「和歌山の漁師です。原発ができてどうですか」。逆に聞かれた。「後継ぎあるか」。「います」と答えると、漁師は「後継ぎあるなら、こんなもの建てさせるな」。清一さんは帰宅し、一己さんに「あれはあかん」と言った。
一己さんは「原発のことは思い出したくない」と言う。反対派町長の誕生で計画に事実上の終止符が打たれるまで四半世紀。地域は賛成反対で割れ、祭りや結婚式にも影を落とした。映画に出たのは「原発はできる前から地域を壊す。子供には味わってほしくない。それを伝えたかった」。
原発事故の影響で、試験操業が続く福島。一己さんは同じ漁師として「自分たちの取ってきた魚を安心して食べてもらえるか心配だろう」と思いやる。
(中川竜児)
●「事故前に反対、存在伝えたい」
ドキュメンタリー映画「シロウオ 原発立地を断念させた町」(約100分)は、漁師や当時の教師ら18人のインタビューなどで構成される。
制作・脚本を務めた環境ジャーナリストの矢間(やざま)秀次郎さん(73)は、1979年の米国スリーマイル島や86年の旧ソ連のチェルノブイリでの原発事故が起こる前から、原発の危険性を感じて反対に動いた人たちの存在を伝えたかったという。タイトルは阿南市の椿川に遡上(そじょう)し、春を告げるシロウオにちなんだ。
12月中旬の試写会を皮切りに、来年1月18日に東京都小金井市の市民交流センター、同25日に横浜市の鶴見公会堂での上映が決まっている。上映委員会(電話042・381・7770)は、さらに全国の自主上映先を募っている。
◆キーワード
<蒲生田原発と日高原発> 1968年、四国電力社長が阿南市の蒲生田岬を有力候補地のひとつと表明。いったん伊方原発のある愛媛県伊方町に決まったが、76年に候補地として再浮上。反対運動の高まりとスリーマイル島事故の衝撃もあり、79年に市長が「白紙に戻す」と決定した。日高原発は、67年に日高町議会が誘致を決議。当初は町内の阿尾地区、後に小浦地区が候補地となった。90年に反対派町長が誕生し、計画に終止符が打たれた。
南海トラフの巨大地震で両県は阿南市で最大16メートル、日高町で最大11メートルの津波を予想している。
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映画「シロウオ」 〜原発立地を断念させた町〜
http://www.kasako.com/eiga1.html
つぶやきかさこ
原発を追い出した町レポート〜原発の最大の害は健康被害より国民同士のいがみあい
http://kasakoblog.exblog.jp/21176497/
日高町の反原発運動を映画化
http://www.hidakashimpo.co.jp/news/2013/06/post-465.html
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すごい。竹槍で戦車隊を追い払ったようなもんだ。この動きを広めていきたいもんです。
原発に警鐘、30年前の舞台上演 「臨界幻想」大阪の3劇団制作
http://anaume101.seesaa.net/article/380953326.html
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