2013年10月02日 大阪 夕刊 夕刊be水曜5面
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にしおひろゆき(45歳)
球界屈指の熱い応援で知られる阪神タイガース。その中心となる、栄えあるトランペット隊長を務める。1試合30人ほどにもなるトランペッターを指揮する。
9月21日の対ヤクルト戦。首位の巨人はマジック1で、2位阪神の勝敗が宿敵の優勝に直結する重要な一戦だ。阪神は8回裏に同点に追いつき、胴上げを阻止。西尾さんは人さし指を立てたあと、パッと手を開くしぐさを繰り返した。「1足す5で6。六甲おろしの合図です」。高らかに吹き鳴らされる音色は、ファンの大合唱とともに浜風に溶けた。
普段は、寺社や仏像の修復、塗装を手がける職人だ。繊細さが求められる「静の顔」と、球場での「動の顔」を持つ。
中学生で吹奏楽を始め、今も市民楽団に在籍する。大好きな阪神のために吹きたいと、2004年に応援団入り。翌年、腕前を買われ、隊長に抜擢(ばってき)された。今年は、各球団の選抜応援団約10人の一員として、WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)の日本代表チームの応援で、サンフランシスコに遠征した。
今まで一番たくさん吹いたのは、昨年引退した金本知憲選手のマーチだ。最後の試合では、「感動ありがとう」と書いた横断幕を左手に、右手にトランペットを握った。涙を流しながら吹いた。
金本選手と同じ年。応援団には全力で吹き続ける体力が求められる。あの日の涙の理由には、自身の「いつか吹けなくなる日」が重なったこともある。
1985年を最後に日本一から遠ざかっている阪神は今年、クライマックスシリーズに進む。トランペットの響きが、壁を破る力になればと願う。
◆応援は自分の席で
CSのファーストステージは12日開幕。西尾さんもスタンドに立つ。ただ、「楽器が当たると危ないので、近寄らないで」。自分の座席から、音に合わせて応援してほしいとのこと。(伊豆丸展代)
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仏像の修復・塗装職人をやる一方、市民楽団に在籍し、タイガースの応援団にも加入し、トランペット隊長も務める。
芸は身を助く。芸は人生を豊かにする。
あなたは何をやりますか?そして、私は何をやりましょうか?
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※朝日新聞デジタルが有料化されたのに
夕刊の連載コラムのアーカイブ化がなくなってしまった。
有料化してサービス悪化してどないするねん!
連載〈まちの埋蔵文化人〉
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ラベル:埋蔵文化人
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