2013年10月16日 大阪 夕刊 夕刊be水曜5面
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なかいけいじ(72歳)
「実にくだらないんですけどねえ……」と言いながら、出てくる出てくる、不思議な実験道具。
その一つ、その名も「にんげん でんち」。手のひらの形の金属が二つ、板に貼り付けてある。両手を合わせたら、電圧計の針が振れた。水分を通して、体の中を電気が流れる瞬間を見られる。
子どものための科学教室を開き、理科の教科書で習うことを目の前で再現している。頭には、カエルやクワガタムシの形の帽子。モーターにかぶせる紙コップには、ペンギンの絵。プリズムの分光器には「光はニジだ!」との説明が。どれもこれも、幼い子どもでも興味をもてるようにとの心配りにあふれている。
素朴なおもちゃのおじさんに見えて、実は日本の最先端のものづくりを支えてきた一員だ。松下電器産業(現・パナソニック)の技術者として、長年無線やラジオの設計に携わった。
「スマートフォンやパソコンは便利だけど、どんな原理で動いているのか、自分の目では分からないでしょ。子どもたちが最先端の技術にいきなり触れる時代だから、その出発点も知ってほしい」。実験のたびに、子どもたちから、「何でー」と歓声が上がる。
中井さんが作ったものだけでなく、子どもが自分の手を動かして製作した道具を使って科学実験をする。はんだ付けも、「よく注意すれば大丈夫」。
ひそかな期待がある。「あまり難しく考えてはいませんが、いつの日か、教室から技術者が出ればいいですね」
ものづくりから、ひとづくりへ――。技術者魂は、衰えない。
◆来月、祭典に出展
理科や算数・数学の考え方を学んだり工作を体験したりする「青少年のための科学の祭典」に中井さんが出展する。11月23日午前10時〜午後4時、奈良女子大(0742・20・3984)で。
(伊豆丸展代)
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子どもでなくても驚きそう。
自分にはできそうにない発想なので、率直にすごいと思います。
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※朝日新聞デジタルが有料化されたのに
夕刊の連載コラムのアーカイブ化がなくなってしまった。
有料化してサービス悪化してどないするねん!
連載〈まちの埋蔵文化人〉
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ラベル:埋蔵文化人
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