■闘う言論空間を護れ 「安倍政治」のメディア支配 週刊金曜日12月25日(1069)号（２）

abenomaxsengen / ★アベＮＯ！ＭＡＸ宣言
■闘う言論空間を護れ　「安倍政治」のメディア支配
週刊金曜日12月25日(1069)号
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●350億円の土地取得計画は放送法違反
　前NHK経営委員会委員長代行上村達男氏が断言、「籾井会長は罷免に値する」　臺宏士
「一種の不祥事だ」。上村達男・早稲田大学教授はNHKの籾井勝人会長の出現をこう表現した。
　上村氏は、NHK経営委員（2012年３月〜15年２月）時代に籾井会長を選出しており、反省を込めた『NHKはなぜ、反知性主義に乗っ取られたのか』（東洋経済新報社）を出版した。
「経営委員が求める会長の資格要件に反している」。同書で、そう言い切る上村氏に聞いた。

「籾井会長はNHKの「ボルトとナットを締め直す」と就任時（2014年1月25日）の記者会見で言い放ったが、自分自身は緩みっぱなしというわけだ。」
　　
「人の意見に耳を傾けない。自分の意見と合わないとその場で怒鳴り出す。人を敵か味方かだけで判断する。そして、70歳を超えるとなかなか考えを変えられないと最後は開き直るのです。」
　　
「NHKの会長の権限は非常に大きく、専制君主にもなり得るのです。だから謙抑的な姿勢が求められるのですが、籾井氏は、理事の人事など経営委員会の同意が必要な人事異動もやりたい放題です。経営委員会が職務を監視、監督することがそもそも気に入らないようなのです。『籾井会長』の出現は一種の不祥事です」
　　
「松本氏（松本正之前NHK会長）に対する安倍政権の評価は低かったといわれる。というよりも、原発再稼働や沖縄.辺野古への新基地建設問題など「公平・公正」な報道姿勢を快く思っていなかったらしい。」
　　
「放送センターには偏向報道を正せ、と押しかけてきた右翼の街宣車は、松本氏が『再任を希望しない』と表明した途端に来なくなった」
　　
　週刊金曜日 2016年 1/1 号 [雑誌] -

●特定秘密保護法違憲訴訟の顛末　煙に巻かれたフリーランスの報道の自由 坂井敦
　安倍政権が打ち出した特定秘密保護法。
　ジャーナリストの取材活動に大きく制限をかける同法は違憲であると、フリーランス記者などによって起こされていた第一審の判決が、11月に東京地裁であった。
　　
●メディアを考える30冊
　安倍首相とマスコミ大手幹部の会食だけをみても、政治権力とメディアの蜜月ぶりは目を覆いたくなる惨状だ。
　年末年始、メディアのありかたを腰をすえて考えるための30冊を編集部で選んだ。

　週刊金曜日 2016年 1/1 号 [雑誌] -
　　

●歴代政権のメディア対応と何が違うのか
　安倍首相の手腕を甘く見てはいけない　逢坂巌

「たとえばテレビの報道。情報番組は全部録画され、どういう報道があったのか、コメンテーターが何を話したのかなどと共に官邸に上げられ、分析。対応されている。無論、インターネットの記事も分析しているでしょうし、さまざまな調査も実施されています。」
　　
「小泉純一郎氏が首相だった時代は、本人に情報を持っていってもあまり関心を示さなかったといいますが、二次政権以降、安倍晋三首相はそれにどう対応するか、自分がどう振る舞うべきかをはるかに真剣にとらえている。
さらに歴代政権と違うのが、躊躇なくメディア対応を何でもやるという露骨さです。」
　　
「かつての戦争を経験した自民党のリーダーたちは、権力が言論を統制したらどうなるか、という歴史をそれなりに知っていましたから、「あまりメディアを押さえ込むような真似は良くない」みたいな認識は伝統的にあったと思います。ところが、今やそうした慎み深さは消えてしまいました。」
　　
「恐らく現政権でメディアを最も気にしているのは首相だろうと私は見ています。一度傷を負いながら、最高権力の座に返り咲いた人物を甘く考えない方がいい。
一方、現在の報道は政府の主張が大きく報じられる傾向が強くなりました。政権の介入という以前に、メディア自身が忖度して近づいている部分もある。民主主義にとって健全なことではありません。今こそ「権力を監視し、事実を国民に伝える」という、ジャーナリズム本来の使命が問われているように思われます。」
　　
　週刊金曜日 2016年 1/1 号 [雑誌] -
　　

●財務省を"恫喝"して屈服させた菅官房長官
　軽減税率は公明党へのプレゼント　野中大樹

「声の大きい業界（利益）団体の意向が通ってしまった。利権政治が復活するのではないか」
　　
「公共の概念、公益の概念はいくらでもつくれてしまう。結果的に力の強い、声の大きな業界の意向が通っていくのです」
　　
「菅氏は１２月上旬、かたくなな姿勢を崩さない税務省幹部を呼び出し、１時間にわたって怒鳴りつける。
「言うとおりにできないんだったら消費税増税そのものを見送る」」
　　
「方々のヒンシュクを買いながらも菅氏が自民党や財務省を押し切ったのは、来年１月の沖縄県宜野湾市の市長選や夏の参院選を見据えた公明党との選挙協力だった。軽減税率は、菅氏から公明党への見返り含みのプレゼントだと言っていい。」
　　

●番号提出を従業員に強制で現場は混乱　マイナンバー不提出者を"脅迫"する企業も　渡部睦美

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