2024年08月04日

小選挙区制が招いた政治の劣化 田中秀征さん語る「中選挙区連記制」



(インタビュー)政治の劣化、招いたのは
元新党さきがけ代表代行、元衆院議員・田中秀征さん

  https://www.asahi.com/articles/DA3S15980250.html

小選挙区制が招いた政治の劣化 田中秀征さん語る「中選挙区連記制」
  https://www.asahi.com/articles/ASS7B2V5PS7BUTFK010M.html

「私は『中選挙区連記制』がいいと思います。定数は3〜5で、有権者は2人の候補に投票できる。ひとつの政党から複数の候補を同じ選挙区にたて、有権者は従来のように1人の候補を書くのでなく、2人の名前を書くことができます」

「小選挙区が導入される前の中選挙区は、1人の名前を書く単記制で、同じ政党内での複数の候補によるサービス競争が問題となりました。連記制はこうした問題が起きにくく、同じ党の候補は互いに協力する可能性が高くなる。有権者は、与野党に1票ずつ投じる投票もできます。野党も2人の候補を出せば、小選挙区制より二大政党が実現しやすいでしょう。それに無所属の優れた候補が勝つ余地も広がるし、小選挙区制で問題になる『1票の格差』の解消にも役立ちます」

「細川さんにとっても、小選挙区制導入は大きな妥協でした。1992年に日本新党の『結党宣言』でも私と同じ『中選挙区連記制』の検討を掲げていました。ところが小選挙区制を待望する熱病のようなムードがあり、妥協を強いられたのです。それから30年、小選挙区制の弊害は明らかになりました」

「当時から私は小選挙区制に反対でした。もともと当時の政治改革は、リクルート事件などの構造汚職の根絶をめざしたもの。刑罰強化などが本筋なのに選挙制度のせいにした。そしてそれが二大政党をつくるための小選挙区制という話になっていきました。でも、二大政党は社会にある二つの思想性や政治潮流を反映するもので、小選挙区制にすれば二大政党ができるという発想はおかしい」

「日本は今、大きな変革期にあります。そこで必要なのは、構想力と志をもった優秀な人材です。戦前にジャーナリストとして『小日本主義』を唱え、戦後は首相になった石橋湛山は、代議政治の要諦(ようてい)について『よい指導者を得ること』と言っています。ところが今は、小選挙区制にあぐらをかき、責任意識を欠いた議員が増えている。これを変えることから始めなければなりません。小選挙区制の廃止はその突破口になるはずです」

「中選挙区連記制は、もちろん世襲議員を排除するものではありません。新しい有為の人材に、政治家への門戸を開こうとする制度です。小選挙区制を廃止し、中選挙区連記制を導入して、時代を変える気概をもった政治家を生み出さなければ、早晩、日本は立ちゆかなくなると思います。最近の世論調査の政党支持率などから、次の総選挙で自民党の大敗が予想されています。今こそ大きな失敗をした自民党の若手が日本の将来のために立ち上がり、選挙制度の大改革に取り組む契機ではないでしょうか。一刻の猶予もありません」



小選挙区制の弊害―― 中選挙区連記制の提唱 - 田中秀征
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日本リベラルと石橋湛山 いま政治が必要としていること (講談社選書メチエ) - 田中 秀征
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自民党本流と保守本流 保守二党ふたたび - 田中秀征
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posted by 民主主義者 at 11:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 談話室 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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